受胎告知

今月のメッセージ

教皇メッセージ

2021年第35回「世界青年の日」教皇メッセージ
「起き上がれ。わたしはあなたを、
   
あなたが見てきたことの証人にする」
                       (使徒言行録26・16参照)
親愛なる若者の皆さん
 2023年にリスボンで開催されるワールドユースデー(WYD)に向けて、ともに霊的巡礼を続けていくために、あらためて皆さんの手を取りたいと思います。
 昨年、パンデミックが起きる直前、わたしは「若者よ、あなたにいう。起きなさい」(ルカ7・14)というテーマのメッセージに署名しました。主はそのみ摂理において、わたしたちがこれから経験する過酷な試練に向け、早くも備えさせようとしておられたのです。

 世界中で人々が、多くの愛する人を失い、社会的に孤立したことによる苦しみに直面しなければなりませんでした。本来、外に向かって行こうとする若者の皆さんも、公衆衛生上の非常事態で、学校や大学、職場で集まれなくなってしまいました。皆さんは、対応するのに慣れていない困難な状況に置かれてしまいました。対応する力が十分にない人や、支援が受けられなかった人は困惑しました。失業、うつ、孤独、依存症とともに、家庭の問題も増加しました。ストレスの蓄積、極度の緊張、怒りの爆発、暴力の増加はいうまでもありません。

 しかし、幸いなことに、これはコインの片面でしかありません。この試練は、わたしたちのもろさを見せつけはしましたが、連帯への志向といった美点も明らかにしました。世界各地で、多くの若者を含む大勢の人がいのちのために闘い、希望の種を蒔き、自由と正義を守り、平和の紡ぎ手、橋を築く人となっているのを目の当たりにしました。

 若者が倒れるということは、ある意味人類が倒れるということです。しかし、一人の若者が立ち上がれば、世界全体が立ち上がるようなものであるのも事実です。親愛なる若者の皆さん。皆さんの手にはなんと大きな可能性があることか。皆さんの心には、なんという強さがあることか。

 だから今日も、神は皆さん一人ひとりにいっています。「起き上がれ」と。わたしはこのメッセージが、新たな時代への、人類の歴史の新たなページへの準備に役立つことを心より願っています。愛する若者の皆さん、真実あなたたちなしでは再出発はできません。世界が再び起き上がるためには、皆さんの力、熱意、情熱が必要です。その意味でわたしは、使徒言行録の中のイエスがパウロにかけたことばを皆さんとともに黙想したいと思います。「起き上がれ。わたしはあなたを、あなたが見てきたことの証人にする」。        

       (中略)

「起き上がって、証言しなさい」
 洗礼によって与えられた新しいいのちを抱きしめることで、わたしたちは、「わたしの証人となりなさい」という使命をも主から受け取ります。それは打ち込むべき使命であり、わたしたちの人生を変えるのです。

 今日、キリストのパウロに対する招きは、めいめいに、若者の皆さん一人ひとりに向けられています。起きなさい――。自分をあわれんで、地面に倒れている場合ではありません。あなたを待っている使命があるのです。あなたも、イエスがあなたの中でなし遂げようとし始めておられるわざをあかしできます。だからこそわたしは、キリストの名においてあなたに伝えます。

— 起き上がって証言してください。目の見えなかった者が光と出会った体験を、自分の中に、他者の中に、そしてあらゆる孤独に打ち勝つ教会の交わりの中に、神の善と美を見た体験を。

— 起き上がって証言してください。人との関係に、家庭生活の中に、親子の会話や若者と老人との対話の中に、築かれうる愛と尊敬を。

— 起き上がって守ってください。社会正義、真理と公正、人権、迫害されている人、貧しい人と弱い立場の人、社会にあって声を出せずにいる人、移住者たちを。

— 起き上がって証言してください。驚きに満ちた目で被造界を見られるようになり、地球をわたしたちの共通の家と理解させ、総合的な(インテグラル)エコロジーを守る勇気を与えてくれる、新たなまなざしを。

— 起き上がって証言してください。失敗した人生も立て直せるということを、霊的に死んでしまった人も再び立ち上がれるということを、奴隷にされた人々も再び自由を得られることを、悲しみに押しつぶされた心が再び希望を見いだせるということを。

— 起き上がって証言してください。キリストが生きておられることを喜びをもって。キリストの愛と救いのメッセージを、あなたと同世代の仲間たちに、学校、大学、職場、デジタル世界といった、あらゆる場で伝えてください。

 主は、教会は、教皇は、皆さんを信頼し、皆さんを、現代の「ダマスコへの道」で出会う、他の大勢の若者のための証人に任命します。忘れないでください。「救いをもたらす神の愛を経験している人ならば、それを告げに出向いていくための準備の時間を、さほど必要とはしないからです。たくさんの講座を受けたり、長い期間指導を受ける必要はありません。イエス・キリストにおいて神の愛に出会ったかぎり、すべてのキリスト者は宣教者です
」(使徒的勧告『福音の喜び』120)

起き上がって、おのおのの部分教会でWYDを祝いましょう
 2023年にリスボンで開かれるWYDまで続くこの霊的巡礼への招待状を、あらためて皆さん全員に、世界中の若者たちに送ります。ですが次のイベントは、皆さんが所属する部分教会で、つまり世界中のさまざまな教区や管区で行われます。それが、王であるキリストの祭日に祝われる、地方レベルでの2021年ワールドユースデーとなります。

 この期間をわたしたち皆が、「宗教的な観光客」ではなく真の巡礼者として過ごせるよう願います。神が与える驚きに、心を開けますように。神はわたしたちの道でご自分の光を輝かせたいと願っておられます。その声に、信仰における兄弟姉妹からも聞こえるその声に、耳を傾けることへと開かれますように。そうしてわたしたちがともに立ち上がるために助け合い、この歴史的な困難の中で、希望に満ちた、新たな時代の預言者となれますように。祝福されたおとめマリアよ、わたしたちを執り成してください。
          
2021年11月21日 ローマ サン・ジョヴァンニ・イン・ラテラノ大聖堂にて

   「新型コロナウイルス感染症に苦しむ世界のための祈り」
          2020年4月 日本カトリック司教協議会認可

Popes Crest
フランシスコ教皇訪日記念ミサ

『今月のメッセージ』 2021年 12月

光と命と愛 

      静清地区共同宣教司牧 司祭 髙橋愼一神父

  「初めからあったもの、わたしたちが聞いたもの、目で見たもの、よく見て、手で触れたものを伝えます。すなわち、命の言葉について。この命は現れました。御父と共にあったが、わたしたちに現われたこの永遠の命を、わたしたちは見て、あなたがたに証しし、伝えるのです。」

 「神が光の中におられるように、わたしたちが光の中を歩むなら、互いに交わりを持ち、御子イエスの血によってあらゆる罪から清められます。自分に罪がないと言うなら、自らを欺いており、真理はわたしたちの内にありません。」

 「しかし、神の言葉を守るなら、まことにその人の内には神の愛が実現しています。これによって、わたしたちが神の内にいることが分かります。神の内にいつもいると言う人は、イエスが歩まれたように自らも歩まなければなりません。」
 
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  ヨハネの手紙一の1章1節―2節、7節―8節、2章5節―6節は、人となって、私たちの間に現れた、命の言葉であるイエス様の光によって、クリスマスを迎える私たちが自らの内にある罪の暗闇を照らし、神の言葉を守ることにより、愛を現すように招いています。

 光と命と愛、1942年のクリスマス、零下40度のスターリングラードで、ソ連軍に包囲されたドイツ第6軍の軍医の一人であるクルト・ロイバーは、聖母子像を地図の裏側に木炭で描き上げて、塹壕内にある野戦病院の壁に掲げました。故郷から遠く離れた戦場で迎えたクリスマスに、負傷し、凍傷と栄養失調に苦しむ若い兵士たちは、暗闇を照らすロウソクの光の中で、聖母子像を見つめました。
 
 聖母は自らの衣服の中に、幼子イエスを包み、聖母子は、互いに額を愛情深く密着させ、この耐え難い状況の中で平安に守られているようです。聖母子像の周囲には、「光(LICHT)」「命(LEBEN)」「愛(LIEBE)」という聖書の言葉が書きしるされています。故郷では、牧師であったロイバー医師は、この絶望的な状況の中で、心のよりどころを自分の患者たちに、信仰によって現したかったのでしょう。
 
 スターリングラード戦の包囲の中で、ドイツ第6軍の将兵33万人のうち20万人以上が死亡し、降伏後捕虜となった9万6千人のうち、収容所生活を経て戦後ドイツに帰還できたのは僅かに6千人であったのです。捕虜となったクルト・ロイバーは、1944年1月20日に収容所で死亡しました。

  この聖母子像については、札幌教区の場崎洋神父様(2021年1月12日帰天、享年62歳)の「塹壕の聖母」という本を通じて知りました。私は、場崎神父様とは神学校で同級生でしたが、神学校の寮の窓から広いグランドをラグビー姿で駆け回る彼を、よく見かけたものです。とても頑健な身体を持っている人物と思われていましたが、叙階後の忙しい司祭生活の中で、いつしか腰の神経を痛めてしまい、激痛を十字架として背負いながらも、司祭生活を献げ尽くしました。

 今となっては、いつの日か天国で、彼に尋ねてみるしかありませんが、包囲下で、聖母子像に救いを託したクルト・ロイバーの体験と、病の苦しみに囲まれた我が身を重ねていらっしゃったのかもしれません。「塹壕のマドンナ」とロイバーの遺族によって呼ばれた、この聖母子像の絵は、現在、ベルリンのウィルヘルム皇帝記念教会に、世界平和の願いを込めて掲げられています。ドイツ語圏では、大変に有名な聖母子像のひとつとなっています。

 クリスマスの光と命と愛が、いつの世においても心のささえを求める人々の内面の暗闇を照らし続けますようにお祈りしたいと思います。
                   「塹壕の聖母 光といのちと愛」場崎洋著 ドンボスコ社 2011年
                               「塹壕のマドンナ」NHK取材班 日本放送出版協会 1986年

髙橋愼一神父


塹壕のマドンナ

 塹壕のマドンナ

スターリングラード


塹壕の聖母

   塹壕の聖母

更新履歴

2018.05.01

新規公開しました。

カトリック静清地区共同宣教司牧委員会